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補助金

エレベーター防災対策改修補助金 検討・利用マニュアル 後編

2024年6月14日

2024 06 14

前編では、この補助金の対象となり得るマンションの条件と補助を受ける為のエレベーターリニューアル工事の仕様やその仕様に対応出来る業者選定について具体的に紹介をしました。

エレベーター防災対策改修補助金 検討・利用マニュアル 前編

それでは、条件もクリアし対応可能な業者も確保できた。次はいよいよ所轄の行政窓口へ行って実際に申請をしていく段階から解説していきます。

今回のブログ公開の為に、大阪市と堺市の担当窓口に出向いて直接ヒアリングを実施してきましたのでリアルタイムで現実的な申請の流れについてつて情報収集する事ができましたのでぜひ参考にしてください。

申請手続き 解説

両市ともに共通していますが、各ホームページで<エレベーター防災対策改修補助事業>と検索すると補助金についての内容が公開されています。

まず、手続きの流れ、手続きのフローチャートが掲載されていますのでご覧ください。

事前協議→審査(最低2週間以上)→問題なし→正式申請(令和6年12月13,20日まで)→

審査(1か月以上)→交付決定通知→工事契約締結、代金支払い(領収書受領)→

完了実績報告(令和7年2月28日まで)→審査→補助金請求(令和7年4月30日まで)→振込(約1か月後)

重要なポイント

  • 事前協議で必要な書類を準備、作成した上で申請しなければならない。
  • 書類不備、不足分を手配、再作成等となると当然2週間以上かかってしまい年度内工事完了が難しくなるので、    前年度から事前協議を開始して実施年度に入ったらすぐに申請できるようにしておく。*事前協議開始時期に関しては特に制約はなし。
  • 工事の契約は必ず正式審査がパスした後の交付決定通知後にしなければならない。逆算して契約してから何か月で着工できるのかを契約業者と下打合わせをして年度内完工(令和7年2月28日)に間に合うように契約締結してください。どうしても契約を待ってからでは材料製作が間に合わないなら工事仕様はすでに決まっているので、なんとか先行手配をかけることはできないか相談するのも手立ての一つです。
  • 補助金は工事が完了して実績報告手続き後に請求し、約1か月後に振り込まれるので実際は工事代金分建て替えて支払った後に補助金分を受領する事になりますので、管理会社との会計、出納処理について事前に対応打合わせが必要です。
  • 戸開走行保護装置の新規設置については巻上機と制御盤を交換する仕様であれば、補助対象になり補助上限金額一杯までカバーする事ができます。新たに戸開走行保護装置を付けるためには古い巻上機、古い制御盤では互換性の問題から新しい巻上機と制御盤に一式交換しなければなりません。この2つの主要機器で250~350万円の単価内訳になるので申請する対象項目に記載すれば限度額一杯まで補助が受けられるでしょう。きちんと申請担当者に理由を説明すれば問題ないと直接のヒアリングで確認しました。業者によっては戸開走行保護装置の認定条件、仕様で細かい違いがあるのでよく理解して説明に臨んでください。
  • 完了後の実績報告では、書類審査の他に現場での訪問検査の可能性もあります。主には対象部位ごとの工事前、工事中、工事後の工事写真になりますが、大阪市ではこの補助事業が令和4年からスタートして今年で3年目、堺市に関してはこの令和6年からの事業スタートです。特にエレベーターに関しては専門性が高く、いかに役所の担当官と言え知識がそこまで備わっていません。今年は慎重に確認作業を並行して処理をしていく事になるので完了検査の想定も必要です。

独自要件が存在する堺市の補助制度

私がヒアリングに訪問したのは6月10日でしたが、その時点で申請者はまだ一件もいませんでした。この4月からなのでまだ周知されてないのでしょう。しかしながら想定枠としてエレベーター3台分しか予算計上していないらしいので今年に申請する予定の管理組合は急いだ方が無難と言えます。

その堺市の補助事業制度で大阪市やその他実施の行政庁にはない独自の要件、制度を掲げている内容があるので紹介いたします。

  • 高さ31メートルを超える建築物であること。

 31メートルという高さの数字は非常用エレベーターの設置基準ではないかと思われます。

要するに非常用エレベーターが設置されている建物が補助対象で設置されてない建物は対象ではない事になりま   す。共同住宅では18~20階くらい以上になるでしょうか。タワーマンションのちょっと手前の規模なので、よくあるのが再開発団地型マンションで敷地内に4,5棟あるうちの高層棟と名称されている号棟に非常用エレベーターと並列で通常の乗用エレベーターがⅠ,2台設置されています。

この棟内のエレベーターは補助対象になりますが、その他の棟は4~10階建てなら、補助の対象になりません。

そこで少し意地悪な質問をしたのですが、その高層棟を含めた中低層の棟が中間階や1階に渡り廊下で繋がっていたらどうなんでしょうか?と質問しました。少しの間奥の部屋で相談されていましたが、明確な返答ではなく、ケースバイケースになるので事前協議で検討するとの事でした。

  • 申請者の代理人は施工業者の1級建築士資格者でなくてはならない

管理組合自らが申請を行わず、申請を代理、委任する場合はその工事を請け負う施工業者であり尚且つその者が1級建築士資格者でなくてはならないので、かなり限定された施工業者でないと委任できません。

おそらく、独立系保守会社では新設エレベーターを扱わないので社内に1級建築士資格取得者はほぼいません。大手メーカー系保守会社でかなり無理を通して担当を配置してもらう必要があります。

*現実的には名目、表面上は組合様自らが申請する体裁で実際の業務は新設経験のあるベテランの施工業者担当者かエレベーターマネージメントのような専門知識のあるコンサルティング会社担当者がサポートしながらの申請手続きとなるでしょう。

  • 補助金の受領を代理できる制度

先程の「申請の手続き解説 ③」で一旦管理組合が工事代金を立て替えた後で補助金額分を受け取ると紹介しましたが、この制度について管理組合は補助金額分を差し引いた金額を施工業者に支払い、堺市は補助金額分をその施工業者に支払うといった制度です。専用の届け出様式に記載提出するようになっています。

申請はお互い手探り?タイトな時間制約で効率的に申請を進めるには・・・

実際の申請から完了後の実績報告、補助金請求までを後編で紹介しました。申請手順については細かいところは独自の基準、制度を設けている自治体もありますが、おおよその流れは共通となっています。

役所担当者もいきなり多数の申請者が来るとは想定していないのでまずは手探りの状態で時間をかけて作業に当たると思われます。

出来るだけスピィーディに年度内に申請を進めるのは至難の業ですよね?

その為にエレベーターマネージメントが存在します。

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