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リニューアル

エレベーターリニューアル遅延問題 (ヴィオス小豆島)

2024年9月23日

2024 09 23

発注後、最短納期5か月で着工したエレベーターリニューアル工事の事例

1,相談経緯、内容

観光地で有名な小豆島に、10階建てのリゾートマンションを最近購入された法人様からの相談です。

法人所有ですが、区分所有建物で一部は別の区分所有されている特殊なマンションで、人気のリゾート地なので改装し別荘地として今後管理運営していく上で、エレベーターで大きな問題に直面しているとの事。

10年程前から、買い手が無く住み手もないので管理もされてなく、かなり建物全体的が傷んでいるのですが、エレベーターが全く動かない状況。これでは、専有部、共用部の改装、回復工事もできないので、まずエレベーターを復旧させて工事作業の導線確保する事が先決です。

しかしながら、設置から約30年経過しメーカーの部品供給が停止していて、部品交換できないので復旧できない状況。

エレベーター保守会社からは、リニューアル工事しか復旧の方法はないと、見積書が提示されたが、かなりの高額で社内含め他の区分所有者から理解が得られない状況となってしまい、どうすればよいか?が今回の相談内容になります。

2,解決に向けた取り組み

まず、提示された見積内容を見たのですが、工事仕様内容もいたって標準仕様で恐らく必要最小限の内容でした。金額も遠隔地の離島からしても高額でもなく、むしろ都市部相場に比べても安いくらいの金額だったのですが、先方はそれでももっと安くならないかとの要望なので、数社当たってみたのですが、やはり工事の金額面よりもリニューアル工事後の保守管理が離島であり、定期点検はもちろん緊急対応も一日数便のフェリーなので対応しかねるとの回答が殆どでした。

提示を受けた保守会社にもヒアリングを重ね、少しでも削れる仕様はないか、減額の検討についても要請しましたが、これ以上は難しいとの返答。

膠着状態が鮮明になったので、初回の無料現場訪問を実施する事にしました。

姫路港まで1.5時間、フェリーで小豆島の港まで1.5時間、港から現地まで0.5時間の片道3.5時間でした。やはり拠点が無い保守会社がこの交通時間を割いて業務を請け負うのは経営効率が悪いので消極的になるのは理解できます。

まず、エレベーター機械室の状況の確認から、巻上機、電動機、制御盤の状況ですが、やはり相当劣化が進んでいる状況でした。

今回の現地訪問の目的は、停止している原因は制御盤内のインバーターと聞いてきたのですが、制御盤と電気関係のみを交換して巻上機、電動機を既存流用できないかを確認する為でした。

残念ながら、巻上機の状態も腐食劣化が進んでいてブレーキ関係等特に錆が広がっていて危険な状態が容易に想定できました。

この結果を報告書にしてまとめ上げて、依頼先の社長様、ご担当の取締役に現地の機器の状態、見積の内容、金額の妥当性を説明し、ご納得いただく事ができました。

早速、保守会社へリニューアル工事の発注手続きとなり最短となる納期対応要請をかけ、当初1年後の着工納期の提示でしたが、再三検討要請をかけ、5か月後の着工、工事期間は5日間の条件で決定する事ができました。

遠隔地現場のエレベーターリニューアル工事施工管理業務

今回、業者選定はほぼ、当初提示を受けていた保守会社で決定していたので、決定後の着工、施工管理業務を発注先保守会社と管理組合となる法人様の間に立ち、現場打合せ、連絡、報告、手配、管理進行を受託しました。

保守会社、法人管理担当者様とも現場から遠方なので全員が集まることが出来ず、それぞれの連絡、要請、確認事項をこちらで取り纏めて進行し、必要に応じて数回、現地への確認に赴いて、着工を迎える事ができました。

エレベーターが動かないので、屋上機械室へは大型のクレーン車での搬入となり、峠道狭路での誘導や、建物側電源設備の状態などいくつか懸念はありましたが、かなりリニューアル工事の実績、経験のある工事業者で手慣れた作業手順で、各要所で作業分担も効率よく統制されていて問題なく工程通り5日間で工事完了しました。

工事完了の最終日には法人担当者様の代理で現地立会し、エレベーター機械室、昇降路内、乗場、かご内と設置状況、稼働状態を確認し工事完了報告書を施工会社の工事写真と合わせて作成し引渡し完了となりました。

都市部では、製作に納期1年、作業人員が向う2年先まで埋まっている等よく聞かれるのですが、地方では技術力の高い工事要員と納期、工程対応能力のあるエレベーター保守会社がまだ存在していることが私自身体験する事ができました。

特殊なマンション管理事情でのエレベーターリニューアル工事のご相談

今回のような、遠隔地リゾートマンションの事例は特殊な例ですが、遠隔地に所有されている賃貸マンションや、マンションが別荘地化されているリゾートマンションでは、普段の管理に加えて大規模な修繕工事となると検討作業が難しい面が多々あると思います。

エレベーターは専門的な知識が必要な上に、現場の周辺環境、詳細な管理状況等離れている中で見えにくい面があり上手く検討作業が進まない状況がありましたら、一度お問い合わせください。


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