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保守(メンテナンス) 故障・修理

エレベーターメンテナンス会社切り替えのタイミング

2025年2月8日

2025 02 08

特にメンテナンス会社に不満なければ切替える必要はありませんが・・・

エレベーターを所有し、日常的に利用するならエレベーター機器の保守は必須です。ほとんどの方は、いずれかのエレベーター保守会社に保守管理を委託されています。新築時の建物引き渡しから一度も切り替えたことがなければ、ほぼ設置製造のメーカー系の保守会社となります。

何年後か、建物を売却する、転売する際には一旦、エレベーター保守契約を解約し、新所有者がそのエレベーターの保守管理を継続する義務が発生し、どこの保守会社に保守契約を締結するのがよいか?を検討する事になるのですが、今もっとも保守契約を切り替えるタイミングで多いのはこのケースではないかと推測します。

新所有者でも今までエレベーター付きの建物を所有して管理するのは初めてだと当然、どこのエレベーター会社に依頼すればいいのか分かりません。

オーソドックスなのは、前オーナーが契約していた会社に継続してもらうのが間違いないでしょう。エレベーターの1階乗場操作盤付近やエレベーター室内操作盤の非常ボタン付近に、故障連絡先の電話番号と会社名を記載したステッカーが貼ったままになっている時があるのですが、以前契約していた保守会社なので、そこに連絡すればスムーズに話が進むでしょう。見積を依頼して月々の保守料金がランニングコストになるので、収益性を検討して問題無ければそこと契約するのが、一番簡単で手取り速く管理がスタートできます。

すでに、エレベーター付きの建物を所有している、した事がある方は付き合いのあるエレベーター保守会社に依頼するケースがほとんどでしょう。

あるいは、管理会社にエレベーター管理も任せるなら、管理会社の選定した保守会社が引き継ぐことになります。

今回は、上記以外の何等かの理由により、エレベーター保守契約先を変える検討をした方がよいのではないか?もうすぐにでも変えたいが実際ははたしてどうなのだろうか?について役立つ参考事例を紹介したいと思います。

設置からの経過年数と契約形態によって大きな違いが・・・

エレベーター保守契約形態にはPOG契約とフルメンテナンス契約の2種類があり、どちらかを選択する事になります。ほとんどのケースが新築引渡し時の契約内容を踏襲する事になります。

POG契約とは「パーツ・オイル・グリス契約」の略称です。エレベーター各部の点検、注油、調整及び消耗部品の取替え費用は含まれますが、その他機器並びに付属備品の修理・取替えにかかる費用は別途請求になるものです。
フルメンテナンスと比較すると、月々の定期点検費用は安くなりますが、比較的高額となる部品交換・修理などについては契約外となりますので、あらかじめ予算計上しておく必要があります。

フルメンテナンス契約とは主要部品交換・修理・調整を含む契約です。
但し、乗場の扉・三方枠の塗装、かご室内の貼物・塗装及び、床材の修理、意匠変更による改造、新しい機能の追加、制御のリニューアル、新規取替えなど

は含まれていません。


すべてのメンテナンスサービスが、ほぼ含まれているだけに、当然毎月のメンテナンス費用は、P・O・Gメンテナンスと比較して割高になります。

まず、気を付けなければならないのが、現契約がフルメンテナンス契約で設置から15~20年を経過しているかで、切替検討先の保守会社が見積をだせない事情があります。

エレベーターのフルメンテナンス契約は所謂、長期的な保全計画の中で将来発生する、であろう部品交換代を長年に渡って積み立てていくイメージの契約になります。

新築から10年そこそこでは、高額な部品が劣化交換する事はありません。15年から20年が経過した頃に百数十万円から数百万円の部品交換工事が必要になってきます。ですので、15年を超えたエレベーターのフルメンテナンスを新規で途中から請け負うのはそれまでの積み立てがない中で高額部品交換のリスクを負う事になるので保守会社としてはフルメンテナンス契約継続の見積には応じないのが通説です。

逆の考え方として、今まで15から20年間フルメンテナンス契約を継続してきたが、POGに変更しようとした場合、月々のメンテナンス費用が当然下がりますが、今まで払い続けてきたフルメンテナンス料金に含まれていた積み立てられた部品交換の権利を放棄してしまう事になるので、お勧めはできません。

日々の保守作業、点検報告、故障対応、提案要請について

新築設置から10~15年までの間は、特に何の問題もなくエレベーターは稼働しています。

年に1回の定期検査報告の検査是正でよくあるのが、非常用の外部通話インターホン用のバッテリーと停電時の非常灯です。通常時に使用される事は滅多とないですが、バッテリーはある年数を経過すると畜電力が下がり機能を満たさなくなるのでPOG契約の場合、おおよそ4~6年くらいの周期で交換するように保守会社から提案されます。

10年経過すると、ロープ式の場合ワイヤーロープ交換が検査是正として素線切れ、表面の赤錆から、内部破断の可能性を示唆されます。機械室ありのロープ式と機械室なしのマシンルームレス型エレベーターの場合、長さやロープ径、種類が違うのと工事手法、人工により金額の大きな差があります。15~20年になると大掛かりな制御盤内の電気関係、昇降路内の安全スイッチ等、ドア開閉機器の周辺部品と続々と交換対象の見積提案が為されます。

この提案、説明に纏わる技術、営業担当者によって各社の対応力格差が最近拡大しているように見受けられます。

従来、メーカー系保守会社の収益の大きな柱がこの保全提案による部品交換売上でした。予防保全を推し進める提案力により、ある程度のボリュームで見やすく平易な提案書と見積書が提示され、相見積もりする事はできないので予算と時期を見計らって検討、発注実施するのですが、この提案がスムーズにストレスなくされているかが保守会社切替のタイミングで2番目に大きいきっかけと見ています。

点検の報告書にいつの間にか、不備事項が記載されているが、改善提案がいつまでたってもされない。点検に来る技術者にこの件について聞くと、営業に伝えます、連絡させますと言って数か月、ひどいケースでは半年以上も音沙汰なし・・・。

しびれを切らして、問い合わせをかけてやっと担当者が対応してくるが、不備内容を把握していない、まるでこれから不備内容の見積準備を開始するかの様にさらに数か月かかります・・・、そうこうしていると不具合故障が発生、寝ている子が急に起きだしたように見積書をバタバタと持ってきたかと思うと目を疑うような見積金額に驚愕するのですが、至急に不具合を解消する必要があるので詳細な説明を求めても、とにかく早く、発注してください・・・、納得できないまま発注し部品納品まで入居者様は階段利用を余儀なくされるといった最悪のケースですが、それほど特別な話ではなく、顧客対応力に問題のある保守会社の典型的なパターンで、よく聞きます。

このようなケースに陥る原因は現場担当技術員と営業担当、部品の特定、見積原価を算出する積算担当と連携がとれていない点です。

会社によっては、現場を担当する保守技術者が少額の消耗部品交換については、自身が原価を算出して見積を作成し、タイムラグを最小限に顧客に提案できる組織にしたり、徹底した分業で保全提案を専門担当とした営業体制とした保守会社だったり、外側からは見えにくい特徴があるのです。

見積提案のコミュニケーションの取り方、取られ方は千差万別なので自分に合った保守会社を検討するしかないのですが、ネット検索ではそこまで判別する事は難しいでしょう・・・。

その他で実務的な例では、しばしば、点検予定日の現地貼り紙を失念し、エレベーター点検作業に入ろうとする、点検報告書や故障した際の原因、処置方法記載の故障報告書がいつまでたっても来ない、説明もない、

点検後のエレベーター室内の天井の照明カバーに黒いゴミ、埃が溜まったままになっている、扉のガラス窓から埃、湿気、水滴跡が汚れたままになっている、昇降路内のかご上の点検灯を消灯しないまま撤収、貼り紙の掲示したテープ跡残したまま見栄えが悪いのにそのままにしている・・・

こんな事なら点検会社を変えた方がいいのかも?と思った時が、切り替えるタイミングと思います。

連続しての不具合発生と原因不明の故障報告

機械的な故障と電気的な故障に大きく分かれるのですが、機械的な故障であれば動きがおかしかったり、異音がする等前兆があるので処置対応は難しくないのですが、電気的な故障となるとある日、突然に発生するので予測、予知は難しく、耐用年数、利用環境、使用頻度から前もっての予防保全しか対応策はありません。

そのタイミングを間違えると、連日のように停止故障を繰り返し正確な原因がつかめないまま、長時間停止となり報告内容も的を得ない説明だったり、報告書の提出を求めても出してこない・・・。

明らかに技術力不足であり、その機種の保守実績がないので対応できないと推測されますので、まずは、即時復旧優先して、保守委託先の変更が賢明でしょう。技術力で間違いないのはやはりメーカー系保守会社なので、保守金額のランニングコストを見直してでも委託先を検討される事をお勧めします。

エレベーター保守契約切替のベストタイミングとは?

とりあえず、エレベーター会社と点検契約しておけば問題ないだろう、エレベーターの点検なんて、どこの会社でも同じだから安いに越した事はないと考えられている方はおそらく多いのではないでしょうか。

メーカー系以外のエレベーター会社なんて、ほぼ一般的に馴染みがないのでどこにどんな会社があって、どこがいいのだろうか?なんて判別するなんてまず、無理でしょうから、どうしても適当なとこに見積を取って、現地から近いサービス拠点があれば、その中から一番安いところでいいのではないか?

確かに上記のようなトラブルが、未来永劫なければその考えでいいでしょうが、残念ながらそうではありません。

きっかけは千差万別、一度検討してみようかな?と思った瞬間がベストタイミングと思って、どうぞエレベーターマネージメントに一度ご相談ください。

初回相談、現地調査は基本無料ですのでお気軽にお問合せください。

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