
マンションの総合管理とエレベーター設備管理の専門アドバイザー
ここ最近、マンション管理会社のフロント担当者からの相談も少しずつ入るようになりました。
エレベーター会社在職中では、色々な管理会社の方達と実務面でたくさん協力関係を築いてエレベーターに関しての日常的に発生する問題点、不具合、住民様の要望を聞いて、対応措置や提案を重ねる中で現状のマンション管理業界の抱える慢性的な人員不足やあらゆる要望に対応しきれない繁忙状態の実情を感じていました。
そういった環境下の一因からか、管理組合役員の方からの管理会社に対する厳しい意見や不満を聞いたり、直接対応要請を求められたりもしました。
そこには、エレベーター会社の立場での事情や,管理会社の立場での事情からスムースに事が進まない事もたくさんあり、理想と現実のギャップに思案する事が幾度とあります。
しかし、私の率直な印象としては一部を除いて、大半の管理会社フロント現場担当者の方は、管理契約に則り、管理組合役員の要望、指示に応えようと奔走していると思います。
25~30年に一度のエレベーター改修工事についての見積専門用語や工事内容、法規制に関わる安全装置、工事期間中の仮設条件やエレベーター会社詳細について等、そういった専門知識を得る機会もない中、対応可能が当然のように管理組合から質問、指示される状況下、他の全般的な問題の処理に追われながら、満足な対応に行きつかないのが実情ではないでしょうか。
私は、マンション管理の中でエレベーター管理の専門としてソフト面となる、例えば長期修繕計画のエレベーター改修工事の時期や予算についてや、エレベーター改修工事内容の大まかな方向性について、エレベーター業界について等むしろ、管理会社様にとってのニーズに応えるべき内容が多く存在するのではと思っています。
少しでも、管理業務全般について近づいていきたい思いから、マンション管理士と管理業務主任者の資格を取得し、抱える問題に向かって共通認識を持ちながら、出来るだけの協力関係を保ちつつマンション管理に一丸となって取り組んでいくのが私の理想であり、目標としています。
管理会社と協働作業で進めるエレベーターリニューアル工事の検討事例
築30年 10階建て 戸数40戸 エレベーター1基で数年前からメーカー部品供給終了の通達が保守会社から管理会社から理事会にあったが、見積が出されただけで、協議検討が進まない状況から、管理会社リプレイス(管理会社変更)にまで発展した管理組合からの相談でした。
管理組合理事の方と変更後の管理会社フロントの方からエレベーターリニューアルについて、コンサルタントを招いて進めていきたいとオファーがあり、まず理事会で弊社についてと取り組みやメリットと見通し等について紹介、提案をしたところ理事長含め全員賛成の合意をいただき現在、業者選定作業を進行しています。
管理組合役員の方、管理会社フロント担当、管理人から広く意見を聞くことにより、進め方や計画、何よりエレベーターの事について深く知識を持ってもらう事で、管理組合業務に関心が高まり目的意識が明確になり、一体感のある理事会が形成されました。
まず、統一したリニューアル工事に必要な見積仕様を定める必要があります。こちらのマンションのエレベーターに安全性、利便性、意匠性ともちろんコストとの兼ね合いを図りながら、今後どういった仕様を盛り込むべきか?理事会内で協議したところ、推定されるエレベーターリニューアル工事のオプションとなる仕様に対して、住民の皆様へアンケートを実施して、必要性について理事会での検討材料にする事になりました。
リニューアル工事見積で、メーカー系と独立系ともに見積仕様でよく上がっている5つのオプションとなる仕様について、必要、不必要、理事会に一任の3択とし、
・戸開走行保護装置
・天井の照明を意匠性の高いデザイン仕様に取替
・マルチビームドアセンサー(出入口扉に障害物検知センサー設置する安全装置)
・エレベーター室内の壁と床の意匠シート貼替工事
・背の低い利用者の方へ利便性向上の為、各操作盤の位置を低い位置に設置する
について、参考金額とイラストを織り交ぜ、平易で見やすい内容のアンケート用紙にて各戸に配布と、管理会社のフロント担当の方に協力いただいて賃貸先の区分所有者へアンケートを郵送してもらい、回答の回収をお願いし、結果集計を取り纏め、統一した見積仕様を確定しました。
住民全体でのエレベーターに関して日頃持たれている印象や、感じられている事が明確に把握できて過不足のない工事仕様が確立されたと思います。


各業者に見積を依頼する際に、見積仕様要領書を配布し現地調査に立会、要領書に則ってヒアリングや質疑応答と見積集計の管理段階に入っている状況です。
業務範囲と責任範囲を明確にして本来の管理業務に邁進
本来、管理会社はマンションの管理実務を行うのが規約、委託契約の本来のはずですが、いつの間にかすべてにおいて引き受けてしまって、それが当たり前になってきているのではないでしょうか?
特にエレベーターリニューアル工事の様に高額で、それなりの規模となると検討作業の中心は管理組合であり、管理組合では専門知識がなく円滑に進行できないのであれば、その道の専門家にアドバイスを求めるのが今後のマンション管理のトレンドになりつつあると感じています。
管理組合理事の方、管理組合から依頼を受けた管理会社の方へ
まずは、初回の無料相談にてお問合せください。