ブログ

相談事例 私たちについて 補助金

既設マンションにエレベーターを新規設置、増設するには

2025年4月27日

2025 04 27

ハードルは高いですが、検討の余地はあると思います。

ここ最近の相談事例で、既設の建物にエレベーターを設置したい件と現在マンションにエレベーターは1台あるが、総戸数に対して1台ではまかないきれないので、もう1台設置できないか?といった内容がほぼ同時期のタイミングで入ってきました。

小規模の3階建ての旅館にインバウンド需要を見据えて、今まで階段だけでは外国人向け顧客獲得には展開できないので、今回、観光庁補正予算からの補助金を利用したエレベーター新規設置を計画したいので相談に乗ってほしいというのが相談内容です。

補助金については以前も、国土交通省のエレベーター防災対策改修補助金で紹介しましたが、審査、施工期間、必要な仕様、補助率等制約が多く難しい実情があるのですが、この観光庁の補助金である、観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業(*補助対象事業者は宿泊事業者となるのでマンション管理組合や一般の賃貸マンション所有者は対象外となります)も審査期間や施工期間の条件も年度内(公募通過から施工完了までほぼ約半年間)といった非常にタイトな制約があるものの、補助金額が1500万円とかなり魅力的な内容と言ったこともあり、お付き合いのあるホテル事業者様からなんとか、エレベーターを新規設置したいといった強いご要望を受けて現地確認、必要周辺書類捜索、設計事務所様、エレベーター業者様との打ち合わせを進めています。

総戸数が100戸のマンションにエレベーターが1台しかない相談についてはおそらく、修繕積立金でまかなう事になりますが、まずどこにどうやって検討したらよいのか?といった状況からの相談です。

こちらは、管理会社様からの問い合わせなので、建物竣工時の建築申請副本の図面データを閲覧し、現地敷地内や現状のエレベーターについての利用状況、設置可能となる場所と設置するに当たって利用者様の利便性、建築基準法との検証について、かなりの確認:検討事項があるので、現地訪問調査を重ねての提案内容の精査、調査資料作成からとなります。

多方面にわたる専門的な検討と見解が必要

築23年 100戸 11階、10階、8階、7階、6階・・・建ての3棟構成となり、上階フロアにしたがって戸数が少なくなる段々畑のような、個性的な造りのマンションです。

エレベーターは9人乗りが1台で1~11階まで停止しますが、平日の日中でも利用者がひっきりなしに稼働している状況でした。

時には自転車もエレベーターに乗せている入居者様もいて、エレベーターの待ち時間でストレスを感じていらっしゃるのを感じることができました。

まず、建築基準法上、既設建物にエレベーター昇降路を築造しての増設となると敷地内における建物容積率の問題をクリアにしなければなりませんが、

容積率の特例、緩和措置として “エレベーターの昇降路、共同住宅の共用廊下、階段部分の除外・延べ床面積に不算入” の点を確認しました。

次に3棟すべてを各フロアが渡り廊下で繋げていて、エレベーターは真ん中の棟に設置されているので、増設するエレベーターも建物の端ではなく、既存エレベーター付近の方ができるだけ上階フロアに乗り場を設ける事ができて、位置的にも違和感がないように思われたので片側廊下で設置できそうなスペースの検証をしました。

設置しようとするエレベーター機器の昇降路内の必要最低寸法は 幅1700mm×奥行2300mm 四方に柱を立てて、地面に深さ1300mm程のピットを掘らなければなりません。そのうえでエレベーターの各階乗り場として1500mmの幅と奥行きも設計しますので思った以上にスペースが必要となります。

3か所程、設置検討候補となる箇所がありましたが、1階の付近に駐輪場の出入り口と他設備の分電盤と通行経路に支障をきたす可能性を考慮したり、廊下前の居室採光窓に増設昇降路設置する事により日照問題の考慮から、最終的には1か所のみの設置個所の検証検討になりそうな状況です。

その最終案の場所にしても周辺に排水管が通っていたりしているので地中配管の検討がさらに必要と思われるので、かなりの煩雑な検討作業かつ、専門的要素の高い知識が必要であり、建築、エレベーター、建物管理、法的知識が揃わないと難しい問題であると言えます。

エレベーターマネージメントでは、1級建築士事務所と業務提携をしているので一体的にこのような問題に取り組むことが可能です。

理事会で検討作業が停滞、先送り、迷宮入りしている管理組合様は、ぜひお気軽に問い合わせフォームまで送信ください。

小規模低層共同住宅にエレベーター新規設置を計画

5階建 築50年程のエレベーターがない市営、県営の公共住宅や昔の住宅都市整備公団の階段室の左右に住戸玄関がある住宅も郊外によく団地として構成されていますが、1棟につき階段室ごとにエレベーター昇降路を増設して数十基の少人数共同住宅専用のエレベーターを公共工事として実施しています。

民間建築の小規模住宅でも同様に敷地内に設置できそうなスペースがあればエレベーターを設置検討しやすい小規模マンション共同住宅専用エレベーターを紹介します。

3人乗り かごの大きさ 幅850mm×奥行1390mm

出入口 幅800mm×高さ1900mm

上記かごサイズであれば車椅子の方も支障なくご利用可能です。

一般的なマンションでは最低6人乗りのエレベーターがメーカーから標準仕様として市場に供給されていますが、設置必要スペースの問題や既設建物との構造的な検討、検討依頼先のエレベーター会社、管理会社、工務店との検討依頼の過程によって進まなかったりで、頓挫してしまっている賃貸マンション所有者様へも、エレベーターマネージメントにご一報ください。

検討に必要な書類、現場条件、法的見解、概算費用についてアドバイスいたします。

初回相談、現地調査訪問は無料(近畿2府4県に限ります)

お問い合わせはこちらまで。