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保守(メンテナンス)

エレベーターメーカー系保守会社の優位性

2024年10月13日

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メーカー系保守会社にしか出来ないエレベーター保守について

以前、ブログでメーカー系保守と独立系保守の違いについて投稿しました。↓

エレベーター保守管理はメーカー系保守会社?独立系保守会社?

それぞれの特徴、特色に当てはめて自分のマンションのエレベーターはどっちが適応しているかを検討しやすいような内容になっています。

独立系保守会社が一般的に普及しだして20、30年経ってそれまでは製造、設置した会社がその後の保守をするのが、当たり前の考え方が大半だったのが、現在は全体シェアのおそらく、10~15%弱くらい独立系保守の占める割合が増えていると推測されます。

しかし、エレベーター機種、仕様によってはまだまだメーカー系保守会社にしか対応が難しいケースがあります。

  • タワーマンション等設置の15階以上のエレベーター
  • 特殊構造のエレベーター(斜行エレベーター、リニア式エレベーターリニューアル等)
  • 高層ビル等設置4台以上の群管理運転のエレベーター(乗場の呼びに複数台のエレベーターが人工知能AIで効率的にエレベーターを振り分ける)

絶対数としては、少ないですが上記に当てはまるエレベーターは、ほぼ設置したメーカー系の保守会社にしか保守作業、リニューアル工事の対応は出来ません。

従って必然的に保守契約金額、リニューアル工事金額はその他の規格型エレベーターよりも数倍するケースが見受けられます。

メーカー系保守会社の優位性、必要性について

1)タワーマンションに関しては、国内で建設が増えてきたのはここ最近であり、リニューアル対象となる設置から25~30年も経過していないので、実績が少ないのでデータがほとんどありません。

同じマンションの9人乗りエレベーターであっても、中身の機械は全く 違う性能となっているので、専用の保守用コントローラーであったり、市場に流通する汎用部品では適応されない等、独立系保守会社では技術面以外の対応についてもハードルが高い状況です。

その他、複数台数のAI群管理機能や、特殊機能の非常用エレベーターも併設されているので、現時点ではまだメーカー系保守会社に保守委託契約を依頼するのがベストと言えます。

2)その現場特有の事情で設計、製造、設置されたエレベーターや、当時の時流、流行等で普及されたがその後、経済情勢の変化や、代替え技術の進歩により、製品寿命が短命であったりして、特定のメーカーしか設置されなかった構造のエレベーターや、その後の需要がバブル崩壊の影響より激減して全く設置されなくなってしまった機種のエレベーターは、製品技術、部品も特殊な為独立系保守会社では対応が難しく設置したメーカー系保守会社の継続が望ましいと思われます。

3)エレベーターの制御に関わる電子機能箇所に関しては、一般的なエレベーターでもメーカー系保守会社でなければ、対応が出来ない分野になります。具体的な事例として多いのは、突発的な天災等による復旧作業でメーカー系、独立系の対応の違いが明確となります。

a)マンションに落雷があり、建物内の電気設備が損傷を受ける。自動ドア、共用部照明、エレベーターが誤作動、消灯、停止、利用不可となり、エレベーターについては、電源装置、制御盤内基板、バッテリー装置にダメージを受けるが損傷部品の特定と部品調達にメーカー系、独立系に復旧時間に数週間、数か月の期間さがあると推定されます。

b)大雨により大量の雨水がエレベーター昇降路内に侵入し、エレベーター停止。かご上制御機器、着床装置、各階の電源基板等損傷するが、独立系保守会社で原因と思われる部品交換実施するも、復旧せず。後日メーカー系保守会社に依頼、数日後作業員現地派遣され、部品特定し復旧。

c)エレベーターが停止故障。原因は戸開走行保護装置の誤作動だったが、なぜ戸開走行保護装置が働いたのかの原因が独立系保守会社では不明。後日、メーカー系保守会社による技術員調査派遣となり、調査キットによるエラー解析結果からブレーキスイッチによるものと判明。

傾向としては、機械的な不具合対応については独立系保守会社でもほぼ対応可能と考えられるが、電気的な、しかも制御機能に関わるコア部分についてや、想定外、突発的な対応についてはメーカー系の対応力に大きな差があると言えます。

メーカー独自の技術力を駆使したサービス機能

上記にもあるように、大規模災害時の緊急時の対応で一番大きな対応力に差が生じるのは地震、大雨、落雷、暴風、それに伴った停電となります。

大きな地震の揺れについては、地震管制運転付のエレベーターは最寄の階に着床し、停止状態となります。地震による機器の損傷、ダメージをサービスマンが現地確認をして復旧稼働しなければエレベーターの運行再開が出来ないため、大規模な地震の際は2,3日間エレベーターが利用できないとよく、高層エレベーター等でニュースになったりしていますが、エレベーター自動診断、あるいは遠隔でエレベーター昇降路内を映像確認する事より、即時復旧するシステムがメーカー系保守契約のオプションとして設定されています。

リニューアル工事では主要部品である制御盤、巻上機を交換する為、5~10日間の工事期間昼夜エレベーターを停止する必要がありますが、着工から完工まで例えば昼間は工事中で停止しても、工事のない夜間は稼働できる工法が、メーカー系保守会社で対応可能な機種、出来ない機種があるものの、独立系ではそういった工法は対応できていません。

メーカーによっては、ITを駆使したスマホから遠隔操作でエレベーターの呼び登録ができたり、点検報告書をネットで閲覧出来たり、緊急時にかご内操作盤のモニター内の緊急センターオペレーターの映像を通じた対応であったり、実にキメの細かい安心感のあるサービスを設けています。

エレベーター保守会社は利用環境、所有者の将来的な管理方針によって検討するべき

分譲マンション、賃貸マンション、ファミリー向け、単身者向けや立地環境によってマンションの管理方針は分かれます。

投資用マンション、リゾートマンション等は極端に言えば、数年先を見据えた管理ではなく現状にウェイトを置いた必要最低限の管理修繕計画になりますが、分譲マンションについては将来的な資産価値を踏まえて計画的に維持保全に努めなくてはなりません。

あるいは、現実的、実務的な話ではなくブランドイメージの要素が高いケースもあります。

そのマンションの所有者のいろんな要素を総合的に判断してエレベーター管理の一つの選択肢としてメーカー系、独立系保守を採用される、そのサポート、お手伝いをしていきたいと考えています。

エレベーターメーカーの特色についての投稿ブログはこちらですので参照ください。↓

メーカー別エレベーターの特徴 – ブログ

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