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リニューアル 相談事例

エレベーター新設・リニューアル工事遅延問題について

2024年6月2日

2024 06 02

深刻な人員不足によるエレベーター納期遅延2024年問題

ここ最近、エレベーターの新設、リニューアル問わず、「いつまでに工事したいが、どこも断られている。どこか間に合うエレベーター会社はありませんか?」といった問い合わせが全国各地から寄せられています。

問い合わせ事例①

メーカーから部品供給が終了したのでリニューアル工事をしたいが、現場が医療系クリニックのテナントビルでまとまった休みのゴールデンウイークかお盆休み、年末年始しかエレベーターを長期間停止できない。いつなら工事可能か?工事期間は最短何日間必要か?とかなり差し迫った様子で電話をかけてこられましたので、まずは現地調査に伺い、管理会社とヒアリングして詳細検討に入りました。

現地は7階建てのすべてのテナントが医療系のクリニックでした。

駅前なので利用頻度も高く、循環器系のクリニックも入っていたのでエレベーターが長期間利用できないのはかなり致命的な状況というのはひしひしと感じ取れました。

しかも油圧式エレベーターで油圧配管経路も特殊で標準の油圧制御リニューアルより工事期間は長い目に必要な機種でしたので、油圧エレベーターリニューアル工事の実績が豊富なエレベーター会社に再度現地調査を実施してもらい施工可能かも含めた検討を依頼したところ、最短でも来年の2025年ゴールデンウィーク着工が精いっぱいとの回答を得ました。

標準的な油圧エレベーターリニューアルの工期は朝9:00~17:00の土日無しで7日間なのですが、事情を勘案して4日間と予備日1日間でなんとか休み期間中での工程計画を提示する事が出来たので、ほぼ決定かと思っていましたが、オーナー様から再度要請があり、

「こちらのとても重要な事情でなんとか年内に完工する事ができないか?」・・・・

これについてはさすがに検討の余地もない状況でした。

今回のケースについては、油圧ユニット、制御盤などの製品製作納期については問題なかったのですが、油圧エレベーターのしかも特殊な配管構造の施行でしかも標準より3日間短い工期ともなるとかなり熟練した工事職人の配置が必要です。

全国的にも最も減少傾向が強い分野であり逆に今から発注して来年ゴールデンウィーク施工ならこれ以上ない条件でしたので、その旨状況を説明してとりあえず納得はしてもらいました。

問い合わせ事例②

こちらは、現在進行形なので最終的な結果までご紹介できませんがまさに今現在起こっている状況をリアルタイムでお伝えしたいと思います。

新築案件でご相談いただいたのは、ある工務店の社長様でした。「6階建ての事務所ビル建設を請け負ったが、エレベーターが予定していた全体工程にフィットしない。当初某大手メーカーに今年1月に発注をしたが、着工できるのは来年の9月になるという。おおよそ、2年弱かかるのか?標準的な9人乗りエレベーターだが、少しでも早く納期対応できるエレベーター会社を紹介してほしい。」・・・・

リニューアル市場よりも新設市場の方が納期遅延問題はかなり深刻な状況かもしれません。

そういえば、例の万博でも未だにエレベーターの発注ができていないパビリオンがあるとか・・・?国を挙げての大プロジェクトのはずなのに本当ならかなり絶望的な状況ではないのか・・・?と先日も小耳にはさんだところだったので一通りの状況説明をした上で、数社大手メーカーに問い合わせできるので聞くだけ聞いてみるので後日回答としました。

やはり、大手メーカーでも最短で1年の納期は必要でしかも数年前から受注バックオーダーを受けている現場から順番となっているので今からなら2年弱はかかってしまう状況でした。

あらゆる部署での慢性的な人員不足で、あちこちで納期トラブルも発生していて訴訟問題まで発展しているケースもあるとか。

新設市場は多額のお金がいろいろな業種に跨るので、エレベーターが工期内に完了できなくなって建物全部が完了引き渡し出来なくなれば、裁判沙汰にどうしてもなるのでしょう。

会社の判断としてもリスク回避して無理な注文は受けない方針になっているのも頷けます。

・・・・・何とかならないものか?

過去の古い人脈を辿って、大手ではありませんがそう言えばエレベーター新設工事していた会社の担当者に知り合いがいるのでダメもとで聞いてみたら、なんと一度、その工務店の社長様と直接会って話してみようかと言ってくれました。

来週にそのセッティングの面談によりどうなるか、なのですが、工務店の社長様もほとんど諦めかけていたので、とても喜んでもらえました。

信頼できるネットワークと余念のない計画性が唯一の解決策

もはや、単純に海外から部品が来ないから、人口減少で若者の働手がいないから・・・だけの理由でエレベーターの新設や保全が遅延してしまうといった事態では済まない状況になってきています。

あらゆる事が複合的に絡み合ってどんどんこの問題が深刻化を増すでしょうし、解決策もすぐには見いだせない状況が続くと思います。

大手メーカーの部品供給問題から端を発して、またもやこの納期遅延問題は消費者からして全くもって迷惑でしかなく、不安にさらされて置き去りにされたまま放置状態の様相に感じられます。

もはや、より綿密な計画性をもって信頼性のある情報元をいかに確保するかが唯一の対抗策ではないでしょうか。

中小の各エレベーター会社も、激変するこの市場動向に飲み込まれないように新規営業展開をより促進していくか、あるいは新規事業を検討、立ち上げる等目まぐるしく業界編成が今後も進むでしょうから、一般消費者は専門のアドバイザーの意見を聞きながら分析予想、リスクヘッジ、効率的な判断をしていく事が重要ではないかと思います。

しかしながら、普段エレベーター業界に身を置かない一般の方がそこまでの動向をキャッチし先読みした行動を取れるかはかなり疑問に思います。

皆さん、自分一人で抱え込まないで一度試しにエレベーター専門アドバイザーに悩みを打ち明けてみてください。

電話問い合わせ、初回の面談、現地訪問は無料ですので試しに一度、ご相談ください。


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