もはや慢性的な状況・・・。エレベーター納期遅延2024年問題
人、物、金 あらゆる産業の共通した、根幹となる土台が揺らぎ始めているように感じます。
エレベーター製造工場の技術者、設計者、配送計画部門や、現場担当の技術者である保守員、工事作業員も一向に人員充足、改善の兆しも見えません。本当にコロナ、ウクライナの影響なのか?半導体のみならず機械関係、加工品関係についても物が入りにくい、見通しが立ちにくい状況がずっと続いています。
円高影響から1か月単位で見積価格が上昇して見積を提示して検討期間を経て受注、いざメーカーに部品発注すると杓子定規に見積有効期限切れを理由に値上げされた見積が送られてくる・・・・。
見積の有効期限も以前は頻繁に金額がアップしなかったので30日~60日でしたが、さすがに30日を切った有効期限もどうかと思いますし、30日を過ぎたからと言って31日目に期限が切れたので増額見積をすべてに提示していたらそれだけで一日の事務作業が費やされてしまいます・・・。
この状況はしばらく継続するでしょう。もはや割り切って、この状況を見越していかに計画的、効率的にエレベーター維持保全活動を進めていけるか、今回はその一つとしてリニューアル工事を検討する最初のステップとして業者から見積を依頼する時の効率的で見積金額以外から見えてくる業者の特徴や検討材料を紹介していきますので参照ください。
エレベーター会社へリニューアル工事の見積依頼の効率的なやり方
1、電話で問い合わせる時の必要ポイント
皆さんのほとんどの方はネットで検索し、色々な角度から数社ピックアップされ、順番に電話問合せをかけられるかと思いますが、その前にどのエレベーター会社でも共通してリニューアル見積に必要な現地のエレベーターの基本的な情報があります。その情報をまずは伝えた上で見積を依頼すれば、スムーズにやり取りが進みます。
- 対象エレベーターの場所(現場住所)
- できれば建物名、マンション名
- 何階建て(何か所停止?停止階床数)
- 建物用途(賃貸:分譲マンション、事務所、店舗含むテナントビル等)
- 何年経過のエレベーターか(設置から〇〇年)
- 製造会社名
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(何故その情報が必要なのかの理由)
- 現場の場所によって営業管轄を定めているので大体でもいいので伝える
(〇県の〇市・・・等でもOK)
- 取引実績のあるオーナー、管理会社の新規現場なのか?それにより見積の参加が可能かの判断が実は分かれます。
- 15階建てまでなら、中位クラス以上の保守会社なら見積対応可能ですが、15階を越えると技術的に対応が難しくなるので基本情報として重要な情報です。
- 飲食店舗の入った夜間営業の商業店舗ビルや飲み屋街に隣接している場合は敬遠される傾向があります。その他は問題ありません。
- 部品供給期間の機種を設置年度である程度特定できます。もし、リニューアル前に先に保守契約切替と話が進んだ場合でも対応可能なのか?工事内容によってあまりに高経年過ぎると対応できないケースもある為事前に確認しておきたい情報です。
- 5大メーカー(三菱、日立、東芝、フジテック、オーチス)であれば対応可能ですが、それ以外は対応できない(対応しない)方針を取ってる保守会社もあるようです。
2,現地調査での対応を観察する
依頼先の保守会社で特に本命、有力対抗馬には出来るだけ紳士的な態度で臨んでください。「現状で検討するのに困っている。相見積もり、競争になるのでがんばった金額を提示してほしい。」と金額次第では受注の可能性が高いと思わせるのがポイントです。
逆に、「現地調査はしないので参考程度の見積でいいですか?」と冷ややかな対応の業者は、上記の基本情報と定期検査報告書の送付を要求し、あくまで、初回はメールでの対応にしてとりあえず参考見積をメールした後、関心がある、反応がいい、食いつてきた等の反応を見てから、訪問する、しないを判断基準にしている話も聞きます。
良い、悪いの判断は難しいですが、その会社、あるいは営業担当者が、見積対応に切迫していてそうせざる得ない状況下なら仕方ありませんので時間をかけてその営業担当とはやり取りして、最終的にはやはり面談した上で判断する事をお勧めします。
見積段階での現地調査は油圧エレベーターをロープ式に入替する工事を除き基本的にエレベーター利用停止を伴いませんが、エレベーター機械室に入室する必要があるので事前に管理人等からエレベーター機械室扉と屋上へ上がる手前の階段の格子扉等がある場合はその扉の鍵を入手して調査のエレベーター業者に入室させるか、鍵を手渡しして調査終了後は返却させるかとなります。
その時に、できるなら調査作業に立ち会って状況をよく観察してみてください。必要な箇所を写真撮影、機械室内各所を採寸したりメモをとったりの作業ですが、熱心な担当者ならそこでリニューアル工事の交換ヶ所であったり、機器の状態の説明で会ったり、製品の仕様、工事全般的な説明をする事があります。こちらも現物を見ながらの説明を受けるので理解しやすく、分からないところも質問すればすぐに答えを聞くことができるので一挙両得です。
リニューアル見積取得、収集のポイント
現場調査が終了したら、必ず見積はいつくらいに提出してくれるのかの確認をしてください。理事会等で期限がある場合はこちらの要望を伝えましょう。見積作成期間は会社によって本当に様々ですが、早くて1週間、遅いところだとⅠ,2か月のところもあります。期限を切らないと出来次第で見積送付しますと言ってたのに、半年待っても来なかった例もけっこうあります。会社によって見積作成の手順、社内承認手続き、他部署間の確認事項等の経路があるので一概に言えませんが一般的に2週間程度が標準的と考えてもらったらいいと思います。
営業的な彼らの戦略として、あまり早くに出し過ぎると他社の情報が入らず、自社の金額が漏れて不利になるので、ワザと一番遅くに出して出来るだけ情報を収集して、有利な金額を出したい等、この時点から駆け引きは始まっているのです。
各社のリニューアル工事見積書の比較検討とその他注意点
見積書は各社様々な様式になっていて、工事仕様がざっと記載していてトータル金額のみ記載されているパターンや工事項目、部品別に内訳が並んでいるパターンに大きくは分かれます。
工事項目、部品名も会社によって同じ部品でも呼称が違っていたり仕様に対する各社の考えから単純に同一な仕様による見積にならなくて比較できない等、第3者による専門家でないと難しい領域となります。
よく、管理会社に相談されるケースが多いかと思いますが、果たして純粋に公平な第3者なのか?疑問に思います。
最近では、ある管理組合にあてたメーカーに見積依頼をかけた回答が「見積書の作成に6か月の時間を要する。発注してから着工まで2年必要。保守契約をメーカー保守に切替える。」ここまで高飛車な対応なのは、本当に生産状況、工事要員、営業対応キャパシティが逼迫しているのもあるかと思いますが、こちらからすると売る気があるのか?と感じてしまいますよね。
目まぐるしく市場環境が変化する中、いかに効率よくタイムリーに正確な情報収集できるかが、本当に過不足のない必要な仕様内容の適切な価格による見積書を取得できるのです。
高額で専門性の高いエレベーターのリニューアル工事は無理をせず、専門コンサルタントに相談してみてはいかがでしょうか?
電話問い合わせ、初回の面談、現地訪問は無料ですので試しに一度、ご相談ください。
お気軽にお問合せ、ご質問等下記までよろしくお願いいたします。