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エレベーター新設・リニューアル工事遅延問題について②

2024年9月1日

2024 09 01

納期トラブルも増加。エレベーター納期遅延2024年問題

先日も、ある介護施設のエレベーターについて問い合わせをいただきました。既存のエレベーターに身障者仕様を追加したいが、ほとんど入れ替えに近い工事内容と金額を提示された。その上、今からの発注だとおよそ2年後との事だが、他のエレベーター会社も同じような状況なのか?補助金を申請する関係上、2年後の工事では対象外となってしまうので何か方法は無いかアドバイスが欲しいといった内容でした。

特に大手メーカー程、納期が長期化している傾向が強いですが、あちらこちらで納期に関するトラブルの話もよく聞きます。

契約上の違約金発生までに問題となった例から、統制を強めて無理な納期調整が必要な物件は受注制限をかけているのが実情です。

問い合わせの施設担当の方へは、昨今の状況を説明した上で可能性としてまだ、納期対応力のある他のエレベーター会社の存在と、身障者仕様設置には諸々の制御関係部品の入替が必要なのである程度、一式交換が必要と解説し、取り合えず検討されるとのことでしたが、やはり深刻な問題です。

同じような時期に、今度はある地方行政の建築営繕関係部署の担当の方から問い合わせがありました。

小学校にエレベーターを新設する計画で入札をかけたが、参加する業者がいなく、どこも年度内の完工ができないと入札不参加、辞退されてしまっている。なぜ、このような状況になっているのか?この状況を説明、解説できる何かよい資料はありませんか?といった、ちょっと特殊な問い合わせ内容でしたが、前述の説明をした上で、さすがに、これといったこの状況を表した資料、データは持ち合わせていないと返答しました。

昨今の災害復興工事や関西万博もそうでしたが、入札不成立、不調問題にエレベーター新設も大きなウェイトを占めてきている様子が伺えます。

全国のエレベーター専門工事業者参考データと設置台数の推移

そのものずばりのエレベーター工事職人の人数データはさすがにありません。しかし、ある程度目安となる数字について紹介したいと思います。

建設工事では、いろいろな業種によって許認可制度が国土交通省により管轄管理されています。

エレベーター新設工事も国土交通省の管理管轄に入るのですが、エレベーターに限定した資格要件は特にありません。

エレベーターは大きくは機械器具設置工事業の中に組みされており新設工事等を請け負うにはこの資格要件に則った専門業者の登録が必要です。

機械器具設置工事業は、工場内の設備工事や給排気機器設置工事、揚排水機器設置工事、立体駐車設備設置工事等多くのカテゴリーに含まれるのですが、その運搬機器設置工事に昇降機が類する事になります。

その機械器具設置工事業者数の推移とエレベーターの新設設置台数の推移をグラフ化してみましたので参照ください。

全国のエレベーター新設設置台数は2020年、21年とコロナ禍の影響より大きく落ち込んでいるのですが、機械器具設置工事業者数は微増しています。一概には言えませんが、ベテラン社員の高齢化問題と若手育成問題が一番の問題ではありますが、業者数としてそれほど減少はしていないのではないか?と推測します。

データは2年前の2022年までしかなく、23年と今年は恐らく、設置台数、業者数ともに増加していると思いますので、ここしばらくはこのモノ不足、人手不足は続くのでしょうが、あるタイミングで解消していくと希望的観測ですが、推測しています。

エレベーター納期遅延問題 今後の予想と対策

大手エレベーターメーカーは、一度生産体制、人員管理体制、経営方針を定めている状況下では、すぐには現場環境に即した対応をリアルタイムに取るのは想定しづらいので、少なくとも5年はこの状況は継続すると思われます。

優先順位を付けた顧客現場を明確化し、積極的には納期的、金額的に無理のある受注営業活動は少なくなると思われます。

現在の保守契約先現場を第一のターゲットとするので、自社製品の他社で保守契約を締結している現場にはあまり積極的に相見積もりに参加してこない兆候が見られます。

規模の大きい独立系保守会社はまだそこまで統一されてないようですが、以前のように、既存契約先顧客であれ、新規顧客であれ「値段で勝負する」といった鮮明な勢いは少なくなっているように感じます。

やはり、これから2,3年先を見越して、リニューアル工事についての検討を少なくとも保守契約先業者には伝えて、この顧客は将来的にリニューアルを現実的に検討していると認識させて他社の情報も広く浅く取りつつ、ベストなタイミングで見積もり徴収し、本格的な検討をしていくのが唯一の打開策と思われます。

今現在、想定外の納期遅延で、一旦リニューアルの検討を止めてしまったり、予算取りも先送りにしてしまわずに、今準備できる事を考えて、効率的に賢くエレベーター管理を進めていきましょう。

その為のアドバイスで皆さんのお役に立てるように日々情報収集していきますのでよろしくお願いいたします。

電話問い合わせ、初回の面談、現地訪問は無料ですので試しに一度、ご相談ください。

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