
コンサルタントの経緯
築55年 総戸数350戸 1,2階店舗 11階建て 複合用途型マンション
エレベーター4基 (6人乗り3基 15人乗り1基)
昨年に大規模修繕工事を2年がかりで完了し、次に取り組むべき修繕計画はエレベーターとマンション敷地内の外構で、まずはエレベーターのリニューアル工事を先に検討して、少し後に外構工事に着手する関係でエレベーターのリニューアル工事業者選定と外構敷地工事についてのご相談を受けました。
エレベーターのリニューアルと外構工事、どういった関連性があるのかと申しますと、従来マンション敷地内に共住者用の駐輪場がなく、各戸専有部周辺の廊下に自転車、バイクを置いていて、エレベーターリニューアル工事を機に大型自転車(電動アシスト自転車等)やバイクを、外構工事で新設する1階敷地内駐輪、バイク置き場に置くようにして各戸の廊下に駐輪するのを止め、エレベーターについても大型自転車やバイクの積載を禁止しようと計画されるからでした。小型、標準大きさの自転車については15人乗りのエレベーターを利用するようにして、共用部の廊下を安全に効率よく利用しやすくしたいご意向からでした。バイクはもちろん、電動アシスト自転車については、夏場にバッテリーが長時間炎天下による温度上昇から、引火しボヤ騒ぎになる事例が発生した事から、以前からの検討課題を敷地外構工事とエレベーターリニューアル工事を機会に合わせて解決したいといった経緯でした。
当初は、エレベーターリニューアル工事業者選定のコンサルティング業務の依頼でしたが、理事長からの相談で外構の駐輪場新設についても検討要請を受け、どうしたらよいのかかなり悩んだのですが、以前携わった事のある大規模修繕工事コンサルタントの設計士である所長様とマンション管理士兼行政書士の方に相談にのってもらい、敷地内の建蔽、容積率からどのくらいのキャパシティの駐輪台数の駐輪場がどこに新設できるか、行政確認も踏まえて検討作業していく事となりました。
コンサルタント業務について
理事長が中心となった修繕委員会のメンバー様から、相当なエレベーターに対する要望、問題点、それに関連した区分所有者間の意識や管理運用面に渡り、ヒアリングを重ねて意見をいただき、リニューアル工事の仕様を取り纏め、見積要領仕様書を作成し、各エレベーター会社に見積依頼、現場調査に立会って、仕様書や現場エレベーターについての個別質疑応答の対応を経て、見積書があがってきました。
各業者の見積を適正に比較検討するのに、統一した仕様書に基づき金額差を明確にする必要があるのですが、エレベーター工事の場合、同じ部品、仕様でも各社によって呼称が違っていたり、仕様書で謳っているのにいるのも関わらず、個々の業者判断で見積に反映されていなかったりすることが多々あります。
そういった凸凹を均一化するのと同時に、業者からの提案や各会社の強みや推奨する仕様についてもしっかり内容を聞いたうえで判断基準に加える事が、価格以上に実は重視しています。
今回は、エレベーター会社5社から見積提案をいただいて、価格はもちろん、実に保全面、安全面、利便性に富んだ有益な提案が揃いました。
そういった、エレベーターリニューアル工事の安全性、利便性に関する新機能や、コストダウンにつながるVE案について説明、解説を修繕委員会で重ねて、5社から3社に絞り込んで理事会で理事の方々、管理関係の皆様に対して3社による説明会を開催し、理事の皆様総勢30名の方々にエレベーターに関する関心を高める事ができました。
その後の理事会でも、エレベーター会社の事、エレベーターの仕様について、使い方、運用面について、価格について、保全について等かなり、活発な質問、意見が出されるようになり、おかげでかなり大変ですが、より以上に理事会全体で、この課題について積極的に取り組んでいこうとする流れが出来てきたと感じました。
エレベーターリニューアルコンサルティングを通じて・・・・
エレベーター以外の大規模修繕や、各共用部設備について高額な工事の検討を専門性の高い技術的な問題から、見積金額の妥当性、各社の説明提案内容を把握、検討、判断するのに、一般の方々がしかも輪番制で継続して審議していくのは大変な事だと思います。
行政では、第3者管理を制度化して普及させようとしている様ですが、マンションの管理を請け負っている管理会社が管理者としてそのマンション管理に携わる事に違和感を感じてしまいます。
もちろん、実際の管理担当するフロントとは別組織で運営管理するシステムを取り入れてるとは思いますが、少なくても各種の設備の業者選定や、工事工程、技術的な専門知識についてはやはり、専門家に任せるのがベストではないでしょうか?
皆さんが住んでいるマンションの管理について、少しでも関心を持って取り込んでもらえるように、より明確に分かりやすく、幅広い年齢層の方が積極的に参加し、合意形成が図れる管理組合のお手伝いをしていきたいと考えています。